登場人物はメモりながら読みたいけど面倒ですぐやめる

そのほか読んだ本

 

図書館島

https://www.amazon.co.jp/dp/B077G7NMQK/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

めっちゃ良いよ!と勧められて読んだ本。

海外ファンタジーです。

文字を知らない島の生まれの青年が異邦人の教師に出会い本という存在を知り、そこから文字、本、物語を通じて世界を見ていくというお話です。

凄く綺麗だけど海外ファンタジーあるあるの「謎固有名詞多すぎ問題」と、めくるめく例えに次ぐ例えですっごく読みにくい! 読みにくいっていうか混乱して薬やってる気分になってきます。 それでも面白いのはなんでだー助けてー読みやすくする魔法かけてー

どのページからもむせかえってくる異国情緒と、薄幸の美少女出てきたからヒロインかと思ったらまさかの展開で「えええええ」ってなりました。
あと主人公が頭おかしいから読んでるこっちもらりってくる
あ、この本にも主人公が酷い目にあって「10歳も老けたようだ」って自虐する表記見つけました。僕は「重SFやハイファンタジーの主人公、途中でボコボコにされたり拷問監禁されたりしてえらい酷い目にあい、助かったあと鏡の中の自分を見て『10歳も老けたようだ』って絶対言うよね」と思ってるんですがなかなか賛同者がいません。

で、「わけわからんオリジナル固有名詞」に苦しめられつつ9割読み進んだところで巻末に「オリジナル用語解説」のコーナーがあるのを発見してマジ卍。言ってーーー!!?? 最初に気付いてたら!!気付いてたら!!! ってかこのままいくと全員とても手の込んだ道を辿り不幸になるんだけどいいのこれ、とヒヤヒヤしながら読了しました。

一切の配慮無くぶちこまれる畳みかけるような流麗な描写と、美しいけど唐突でフラグでもない作中作に次ぐ作中作に溺れ、最後に主人公にキレ散らかすという楽しい本でした いやdisってないです!でもこの本の不思議な面白さをそうとしか表現できない!

 

パンク侍、斬られて候
http://www.punksamurai.jp/

これは映画です。
主演の人がかっこいいし猿がかわいいので見るといいと思いました!!
相当あたまのおかしい作品です。
ってかこれ原作あるんだ……どんな原作なんだ……何が起こったらこういう話になるんだ……!!
エンタメに理性はいるけど正気はいらん
っていうのを深く感じたことでありました。
かっこよければ、美しければ、面白ければそれでええんや……
筋の通った意味みたいなものはアカデミックなやつらにまかせておけばいいじゃないですか。

 

神はサイコロを振らない
http://urx.red/OBbK

「10年前に乗客ごと消失した飛行機が10年後に突然現れる、しかも10年前のまま」っていう滑り出しです。
現代SFものかなあと思ったら全然違った。
あえて言うなら人情ものですが国とかマスコミとか公安がこのありえない事件に対してどう動くか、渦中の人はどうするかみたいな描写が淡々と続いていて、話は全然違うのに「シン・ゴジラ」思い出しました。
しかし読みにくかった。登場人物がめっちゃ多い上に場面がコロコロ変わるので「えっ誰だっけ、えっ何のこと?」の連続で辛かった。
でもそれを上回るくらいの「面白!」は得ました。
そう、面白かったんです。数多の登場人物が自分の人生に何を望むか、その描き方にとても体温があるんです。ある人は狂気、ある人は家族、ある人は欲望、ある人は思い出と共に在ること。それぞれの人生と価値観の上で自分の道を決めていく登場人物たちには「わ、わかりすぎる……」しかありませんでした。
ハッピーエンドでもなければバッドエンドでもない淡々とした終わり方と、登場人物たちが選んだ道の「うん、そっか……」感が、独特の複雑な読後感を残す本でした。1587文字。