想像の整合性

僕はジョジョ5部が好きです。もうあの……光の当たらない暗くてさつばつとしたなかで生まれ育ってきた超かっこいいギャングたちがマジでなにそれってかんじのスタンドでとくしゅなばとるを……最初からあの面白さを伝える気なんか無く書き始めた文章だけど3行ももたないのすごい。初っ端から諦めた文章を読ませてしまって申し訳ありません。どこが面白いか伝えようとして考え始めると頭がわーってなって「あれも!これも!それも!わ―――っ!!(大騒ぎ)」ってなるのは解っていたもので。これも「好き」の副作用なんです。

 

そのジョジョ5部が完結から10年以上たって神アニメで復活しました。事前情報で小林靖子さんが関わってる時点で「マジか―――約束された神アニメじゃん!」って。僕はアニメにはそんなに詳しくないけど、この世には良い「漫画をアニメ化」と悪い「漫画をアニメ化」っていうのがあるらしくて、いうても原作があるなら作画崩壊以外の理由でつまんなくなることある?ってカタをくくってたら封神演義で「うわっ……あるんだ……(涙ぽろぽろ)」っていう憂き目に……あいまして……。アレ作画は神がかってたのに、「悪いアニメ化」という一言じゃ言い表せないくらい徹底的な蹂躙と崩壊を見た。どれだけ酷かったかは軽くググると出てくるけど(ファンの人たちが故郷の村をどのように焼かれ、そして自分はそれに対してどれだけ無力か、どれだけ絶望したかを図解とかしてた。たくさん)、僕は酷いコンテンツには耐性があるから最初はアニメ封神演義の酷さを一種のギャグとして笑って見てたけど後半は流石に無理だったもん。圧倒的に理解できない。大丈夫?この指何本に見える?ってずっと思ってた。TLが毎週お通夜になる。「映像化された拷問具」「何が目的でこんな酷いことを」「封神演義に親を殺された人の作品」って。僕も本当にそう思う。

 

でもジョジョ5部は完全に良いアニメ化です!良かった話がやっと戻ってきた!

 

今回はメローネの「ベイビィ・フェイス」回でした。メローネの髪ピンクじゃなかった。同居人と一緒に見ました。

同居人はジョジョは1~3部派で、ギリ4部までわかる5部は良く知らん、という人です。で、僕がわーいわーいってしながら見るのに付き合ってくれるんですが、見終わって今回も面白かったねーって言った後の2人の感想が完全に一致!

「そんなわけなくない?」

「そうはならんやろ」

少し説明すると、

①ベイビィ・フェイスっていう、生き物や物体を分解して再構築するスタンドがジョルノを攻撃

②ジョルノが片目と喉を奪われてしまって大ピンチ

③でもジョルノのゴールドエクスペリエンスの「生命を与える」能力で目とか喉のパーツを自分で作ってはめ込んで回復

④逆に自分が攻撃されるタイミングで自分の腕をピラニアに変えてベイビィ・フェイスの体内に潜り込ませ内側から食い破ってダメージを与える

って展開なんだけど、絶対そうならないと思う。

細かい突込みは無数にあるけど大きいところで言うと

・片目奪う時にその後ろの脳も奪っておけばジョルノ即死でベイビィの勝利

・生命のパーツ作りまではいいとしてそれがつるっと接着されるのはどういう?

・突然体内に出現させられたピラニアは体を食い破って出てくることはできるのか

これは連載当時キッズだった僕でさえ心の中で何回も突っ込んだ。

でね。僕が言いたいのは今回そこじゃないんだ。

でも面白いから全部オッケー!!!!!!!!

ってことなんだよ。キッズだった僕もこうして落ち着いた。

作品に整合性や一貫性を求めるのはわかるし僕もどう見ても愛の欠如としか思えないキャラブレは嫌いだよ。でも、「圧倒的面白さ」と「作者の情熱とか愛とかそういうパワー」があれば全然!そんなの!いいです!完全に許したとかそういうのでもない。そのまま行ってください―――っ!!みたいな?許す許さないじゃないんだよ嬉しいんだよだって面白いから!!!!以上ッ!!!今日言いたいことは全部言った!!!!!!

 

時々漫画とかゲームの考察サイトが目の端に止まることがある。

作者の人が徹底的に整合性を気にする人でそのうえで「確固とした世界観、キャラ設定、時間軸」を構築し、そこに謎を含ませて読者に挑戦するようにジワジワやってくタイプの作品で、それに対して読み込んで読み込んで考察するのは楽しいだろうと思うし、幸せそうだなーと思う。

でも明らかにそうじゃないタイプの作品に対して考察サイト作るのは不幸なことだと思うよ。だいたい考察してる人は作品の不整合に対して激おこだし、激おこしてなくても普通に「いや違うのでは」って真顔で言えるような屁理屈で作品の不整合を埋めようとしている。平たく言うと千の手で揚げ足取りまくって唸ってるだけなんだよ。そこに正解も作者の意図もないし、もしかしたら「そんなわけなくね」をワザとやってる所だったりするかもしれないのにさ。虚無なのにさ。

だいたい作品って人が想像して書いてるものなんだからそこに一定以上の執拗な整合性を求めるのは……無に向かって棒を振り回すようなものだと僕は思うよ。そこほんと「無」だから当たりコリジョンどこにもないからどんだけ振っても何にも当たらないしダメージ判定出ないよ……とにかくジョジョはたびたび「そんなわけなくね?」「そうはならなくね?」が出てくるんだけど読者も全く気にせず自然と全員が「面白いからオッケ―――!!!」ってなってる。素晴らしい現象だと思いました。「そういうタイプの作品」の代表みたいなものだよね。「そういうタイプじゃない作品」の代表ってなんだろう……エヴァンゲリオンとか?大丈夫ですか。僕の話ピンときます?こなかったらごめんなさい。

いつも平熱テンションで書いてるのに今日はメローネが最高だったから凄く書いてしまった。2377文字。