寿命と包丁
僕は成人のお祝いに、職人の妖精(父)から包丁をもらった。
妖精が市場に行って包丁職人にわざわざ発注してもらってきたものだ。
それは夢のような切れ味でなんでもスパスパ切れたし指もスパスパたくさん怪我をした。
僕は張り切って河童橋で砥石を買ってきた。
でも僕はなかなかこの包丁を使わなかった。
ドンキで買ってきた安い包丁ばっかり使っていた。
なんでかって、もったいなかったからだ。
上にあげた写真の裏側には僕の名前が彫ってある。
でも最近よく使うようになった。
例え毎日この包丁を使って研いだとしても、きっと包丁がだめになるより先に僕が死ぬ方が早いに違いないからだ。鉱物の寿命が羨ましい。
だったらたくさん使った挙句に少し小さくなった包丁を妖精に見せて「あの時貰った包丁こんなに小さくなった」と言った方がいい。
まだドンキで買った包丁と、同居人が適当に買ってきた包丁も持っていて、ちゃんと研いでいるけど、これからは僕包丁をメインで使っていく。
ところで包丁研ぎのめっちゃうまいやり方がわからない。
いつも感覚で研いでて(砥石に対して1円玉が挟まるくらいの角度であまり力を入れずにとかそういうの)それなりに切れ味は復活するんだけど、そうじゃないんだ。
僕はめっちゃうまく研いで「やば……」ってくらいの切れ味で包丁を使いたいんだ。
この包丁にはそれくらいのポテンシャルがあると信じてる。今度帰省したら包丁の研ぎ方教わるか。そんでまた手をスパスパ切ってしまうんだろう、包丁使ってるときはたいてい酔っている。639文字。
キャラクターの魅力
あらすじ出せって言われたから出した
ら
「キャラの個性や信念、行動原理がイマイチ掴めない」
「プレイヤーの心情の変化の細かいところがわからない」
とめっちゃ長文で文句つけられたので
いやあらすじだから
「誰でもさらっと読めるような分量」でそこまでの情報は出せないよ、きみができるなら土下座するけど
と思って、それじゃあっつって情報に肉付けしてキャラの個性や心情の変化や具体的なセリフ例や、伏線の説明や展開の詳細を詰め込んで、そしたら分量3倍以上になったから仕方なく見やすいような書類にして出した
ら
「キレがなくなった」
だってさ
!
当たり前じゃんね、当たり前じゃんね、ズバッと短文で読めるものと、この長文とじゃ、切れ味なんか全然変わるじゃんね!脳内で処理しなきゃいけない情報も増えるんだから重みが出るのも当たり前じゃんね、何言ってんの?
それとちゃんと書けって言ったのそっちなんだからちゃんと読んで!普通に書いてあることへの質問しないで!!
しかしこんなこと日常茶飯事なのである。
そんなことより一番頭を抱えるのは「このキャラクターの魅力がわからない」って文句なんだけど、僕に言わせればその人はきちんと魅力を出そうと思って書いたし色々なキャラクター打ち出してそれなりに狙い通りにウケた経験はたくさんあるから「まあ人によって刺さる刺さらないはあるよね。でもそのキャラが刺さらない人でも大丈夫なようにメインキャラ数名の誰かは刺さるような仕組みにしたよ」って言ったんだけど、聞いてくれない。そりゃイケメンキャラ出して全男性に刺そうなんて思ってないけど僕の独りよがりで出してるキャラじゃないよ。魅力ないって言われても「それは・あなた・から見たら・そうな・だけです」。
この「好み」というどうにもならない場所発祥のクレームはつらい。
だが土日そんなことばっかでバトルしてて頑張ったので今日は1日休みとする!ボドゲカフェでも行ってきます!!!!!!!!!812文字。
ひたいのログインボーナス
僕は文字を書く仕事をしているんですが書けない時ってどうしてこんなに書けないんでしょうね。あらすじを頭の中に「在る」状態にするまでの行程が本当にきついんです。ちなみに今の僕は「在る」状態です。
あのね、文筆家の仕事の8割ってうだうだ考え込んでる状態なんです。これはマジで本当にそう。だって「在る」かんじになればあとはそれを出力していくだけだもん。正直悩んでる時より全然楽。だからおとなしくカタカタ打ってる時に「おっ仕事してるな」って思って、他の、ぼーっとしたり散歩したりゲームしたり読書してる時間は「仕事してないな」って思わないであげてください。違うんです。ぼーっとしてる時間の方が苦しんでるし余程仕事してるんです。まあ7:3くらいの確率でガチのサボり時間とかもあるけどそれは外から見てもわからないのでもうどうしようもないね。PC前に強制的に缶詰めになる方法も無くはないけどそういうのってギリギリの時でさ、普段使いの仕事方法にしたくないじゃんか……。
たまに続編とか既にキャラが決まっている脚本の仕事が来ると頭の中に何も「無い」状態で筆を動かし始めて、あとはキャラに喋らせるに任せるって方法もあるけど、0から話を作り上げる時はこの方法は通用しませんのでした。キャラも固まってないしなんなら差し替えたってオッケーなんだからどんどんわかんなくなってくる。
制約のない創造は人を狂わせ悩ませる魔境です。
今だいたい脳内の用意はできてるのに僕の筆が全く進んでないのは、完全に昨日から「将太の寿司」無料読み放題が始まったのが悪い。読んだことなかったけど読み始めたら止まらんやんあんなの……。
それにしてもこの漫画滅茶苦茶にわかりやすいなー。まずものすごく努力家で一本気で情厚いために誰からも好かれる寿司職人見習い将太さんを主人公に据える。そこに「サブキャラのお涙頂戴人情話」と「ゲスキャラに邪魔されてピンチになる話」などのバックストーリーを敷く。その上でイベントとして寿司コンテストとか寿司対決をセッティング。あとはそれを延々と繰り返すだけ!
それで面白いんだから凄いなっていうエンタメの原形を見た気がします。
でも時代は感じる。将太さんがコンテストで「煮こごり」を出した時に「あれは何だ!?」って周囲がざわついて「何ィ―――ッ煮こごりだと!?」って審査員までビックリしてたのは、無いなと思いました。食通で煮こごり知らない人いる?あとお題にアボカドを出された時にその場にいる全員が知らなかったりとか。時代……時代ですね……。
さてとりあえず将太の寿司を読むのをやめて1文字目を書き始めるためにここに来ました。まずは指を動かすんだ。文字を打つモードに入るんだ。そういう時ブログ超便利。ブログありがとう。ブログタイトルを「ブログありがとう」にする気が最初は1割くらいだったのに今は4割くらいまである。今のタイトル「広漠たる中間」はパスカルの提唱した人間の立ち位置です。哲学用語です。僕はオタクだからなんの恥じらいもなくつけるぞ!!!!
ところでいま額にかさぶたがあります。これをペリッてむくの超楽しいし気持ちいい。わかってます、ダメですよね。でもやる。ボロッといかずにペリーッと薄く広範囲のかさぶたが取れるとしばらくPCモニタの下あたりに置いてことあるごとに持ち上げて見てうっとりしちゃう。またはがしたい、もう1枚はがしたい!でもかさぶたがいいコンディションを取り戻すのに1日はかかる。だから僕はこれをログインボーナスだと思っています。今日という日にログインしたのでかさぶたをはがします。さっき一瞬むらっと仕事モードになったのにどうでもいいかさぶたのことを書いてたらまた将太の寿司読みたくなってきた。あか―――ん!!!あかんぞ自分、1559文字。
想像の整合性
僕はジョジョ5部が好きです。もうあの……光の当たらない暗くてさつばつとしたなかで生まれ育ってきた超かっこいいギャングたちがマジでなにそれってかんじのスタンドでとくしゅなばとるを……最初からあの面白さを伝える気なんか無く書き始めた文章だけど3行ももたないのすごい。初っ端から諦めた文章を読ませてしまって申し訳ありません。どこが面白いか伝えようとして考え始めると頭がわーってなって「あれも!これも!それも!わ―――っ!!(大騒ぎ)」ってなるのは解っていたもので。これも「好き」の副作用なんです。
そのジョジョ5部が完結から10年以上たって神アニメで復活しました。事前情報で小林靖子さんが関わってる時点で「マジか―――約束された神アニメじゃん!」って。僕はアニメにはそんなに詳しくないけど、この世には良い「漫画をアニメ化」と悪い「漫画をアニメ化」っていうのがあるらしくて、いうても原作があるなら作画崩壊以外の理由でつまんなくなることある?ってカタをくくってたら封神演義で「うわっ……あるんだ……(涙ぽろぽろ)」っていう憂き目に……あいまして……。アレ作画は神がかってたのに、「悪いアニメ化」という一言じゃ言い表せないくらい徹底的な蹂躙と崩壊を見た。どれだけ酷かったかは軽くググると出てくるけど(ファンの人たちが故郷の村をどのように焼かれ、そして自分はそれに対してどれだけ無力か、どれだけ絶望したかを図解とかしてた。たくさん)、僕は酷いコンテンツには耐性があるから最初はアニメ封神演義の酷さを一種のギャグとして笑って見てたけど後半は流石に無理だったもん。圧倒的に理解できない。大丈夫?この指何本に見える?ってずっと思ってた。TLが毎週お通夜になる。「映像化された拷問具」「何が目的でこんな酷いことを」「封神演義に親を殺された人の作品」って。僕も本当にそう思う。
でもジョジョ5部は完全に良いアニメ化です!良かった話がやっと戻ってきた!
今回はメローネの「ベイビィ・フェイス」回でした。メローネの髪ピンクじゃなかった。同居人と一緒に見ました。
同居人はジョジョは1~3部派で、ギリ4部までわかる5部は良く知らん、という人です。で、僕がわーいわーいってしながら見るのに付き合ってくれるんですが、見終わって今回も面白かったねーって言った後の2人の感想が完全に一致!
「そんなわけなくない?」
「そうはならんやろ」
少し説明すると、
①ベイビィ・フェイスっていう、生き物や物体を分解して再構築するスタンドがジョルノを攻撃
②ジョルノが片目と喉を奪われてしまって大ピンチ
③でもジョルノのゴールドエクスペリエンスの「生命を与える」能力で目とか喉のパーツを自分で作ってはめ込んで回復
④逆に自分が攻撃されるタイミングで自分の腕をピラニアに変えてベイビィ・フェイスの体内に潜り込ませ内側から食い破ってダメージを与える
って展開なんだけど、絶対そうならないと思う。
細かい突込みは無数にあるけど大きいところで言うと
・片目奪う時にその後ろの脳も奪っておけばジョルノ即死でベイビィの勝利
・生命のパーツ作りまではいいとしてそれがつるっと接着されるのはどういう?
・突然体内に出現させられたピラニアは体を食い破って出てくることはできるのか
これは連載当時キッズだった僕でさえ心の中で何回も突っ込んだ。
でね。僕が言いたいのは今回そこじゃないんだ。
でも面白いから全部オッケー!!!!!!!!
ってことなんだよ。キッズだった僕もこうして落ち着いた。
作品に整合性や一貫性を求めるのはわかるし僕もどう見ても愛の欠如としか思えないキャラブレは嫌いだよ。でも、「圧倒的面白さ」と「作者の情熱とか愛とかそういうパワー」があれば全然!そんなの!いいです!完全に許したとかそういうのでもない。そのまま行ってください―――っ!!みたいな?許す許さないじゃないんだよ嬉しいんだよだって面白いから!!!!以上ッ!!!今日言いたいことは全部言った!!!!!!
時々漫画とかゲームの考察サイトが目の端に止まることがある。
作者の人が徹底的に整合性を気にする人でそのうえで「確固とした世界観、キャラ設定、時間軸」を構築し、そこに謎を含ませて読者に挑戦するようにジワジワやってくタイプの作品で、それに対して読み込んで読み込んで考察するのは楽しいだろうと思うし、幸せそうだなーと思う。
でも明らかにそうじゃないタイプの作品に対して考察サイト作るのは不幸なことだと思うよ。だいたい考察してる人は作品の不整合に対して激おこだし、激おこしてなくても普通に「いや違うのでは」って真顔で言えるような屁理屈で作品の不整合を埋めようとしている。平たく言うと千の手で揚げ足取りまくって唸ってるだけなんだよ。そこに正解も作者の意図もないし、もしかしたら「そんなわけなくね」をワザとやってる所だったりするかもしれないのにさ。虚無なのにさ。
だいたい作品って人が想像して書いてるものなんだからそこに一定以上の執拗な整合性を求めるのは……無に向かって棒を振り回すようなものだと僕は思うよ。そこほんと「無」だから当たりコリジョンどこにもないからどんだけ振っても何にも当たらないしダメージ判定出ないよ……とにかくジョジョはたびたび「そんなわけなくね?」「そうはならなくね?」が出てくるんだけど読者も全く気にせず自然と全員が「面白いからオッケ―――!!!」ってなってる。素晴らしい現象だと思いました。「そういうタイプの作品」の代表みたいなものだよね。「そういうタイプじゃない作品」の代表ってなんだろう……エヴァンゲリオンとか?大丈夫ですか。僕の話ピンときます?こなかったらごめんなさい。
いつも平熱テンションで書いてるのに今日はメローネが最高だったから凄く書いてしまった。2377文字。
暗唱している詩
僕が暗唱している詩が少しあるんだけど
どうにもこうにも検索で出てこないんだよ。
あれ? 読んだの僕だけ?
普通にパクリ行為だと思うんだけどこのネットの海に残しておきたくて置いておきます。あとソースが僕の記憶オンリーだから100%どっか間違ってると思うけど置きます。だってネットに残しておきたいから。
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『生まれた年』寺山修司
肖像画に
まちがって髭をかいてしまった
ので仕方なく
髭をはやすことにした
門番をやとってしまったから
門を作ることにした
一生は
すべてあべこべで
わたしのための
墓穴がうまく掘れしだい
すこし位早くても
死のうと思っている
恋人ができたから
恋をし
海水パンツを買ったから
夏が突然やってきたのだ
と
思うことがある
小学校の頃から
いつもすこしずつ 人より
遅れたものだ
半鐘が鳴りだしたから
あわてて放火したり
包帯があるから
あわてて血を流したり
そして
中年になったから急いで老けて
順応について考察し
ズボン吊りを上げたり下げたり
しているのに
ただひとつ
そんなわたしの不条理は
わたしがかなしんでいるのに
かなしい事が起こらぬことだ
この数年間
わたしはかなしみつづけ
それから耳をすまして
待ってみたが かなしみは
やってこない
かなしみのやつ
挨拶の仕方を忘れたか
と
わたしはふとった腹をなでながら
ありあまる人生を見つめ
観光案内図から
かなしみへ続く小路を
今日も探し
明日も探しているのである
終わり
\ポコン/
<飲み会遅刻するんですか?
いやちゃんと間に合うつもりだよ>
<つもりって……?
えっ>
<飲み会、今日ですよ。始まってますよ
マジかああああああああああああ>
ほんとごめん!明日だと思ってた>
今から家出るけど参加はします!>
<はい。笑
っていう背筋の凍るLINEを交わした1時間後、僕は大学の追いコンに参加していた。
僕は大学を卒業して久しいけど「先生がいいってゆったから」という理由でこの1年ゼミに参加させてもらっていたんだ。タダで。すごい。社会人になってからタダで哲学勉強し直せるとかどんなマジックだよって思う。いや、マジックじゃない。僕は図々しいんだ。それが僕の人生に必要だと思ったら絶対むしり取る奴なんだ。
3時間飲み放題の飲み会に1時間遅刻して行ったらもうだいぶ皆お酒が回っていて、というか実は僕も飲み会関係なく普通に飲んでたから回っていた。
赤ら顔で笑顔で騒ぐ大学生たちを見ていたら感傷に浸……るとかそういうの全然なくて普通にくだらない話をして普通にギャハギャハ笑って普通に終わった。とにかく大学生の飲み会はうるさいし話題は矢継ぎ早に投げられるので感傷に浸る暇なんかない。
そのまま帰って倒れて寝て起きたら朝の5時くらいだった。
酒か薬がないと眠れない体質なのでほとほと困った。薬を飲むと10時間寝てしまう。で、酒を飲みながらだらだらした。
そしたら大学生の人たちからの「昨日はありがとうこれ写真です」グループラインがポコンポコン来た。
この世で、飲み会会場ほど残念な写真がとれる場所はないとおもう。それでも1人1人の顔を見ながら、っつーかすげえな大学生って飲み会の翌日に8時に起きる生き物だったのかよ。立派だな~~~。
写真を見ながら、この「場」はもう2度とないんだなあと思った。人は生きている、場所はある。でもこのメンバーで「ゼミ」と称して哲学をこねくりまわす「場」は終わったんだ。いや本気でめっちゃ頑張って再現しようと思えばできなくないかもしれないけど普通に考えて無い。
そっか―――終わったんだな―――。またひとつ終わったんだな。寂しいなあ。僕はモグリだけど。と思ってまた寝た。901文字。
マジで本気で
仕事が
マジで
やばい
わけわかんないけど書き始めるしかない
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- あ
- こんな機能あるんだ
- 箇条書き表示。
入力画面の上の方に便利な文字装飾ボタンがたくさん並んでるけど
- 全然
- ボタン
- 見てなかった
←引用記号も一発挿入
あっくそ解除できない。
Enterで改行すると自動的に次の行も引用になる
僕はこのまま一生引用し続ける人生なのか
やだ戻して
いや―――――――――
仕事します。