敗北

負けた。

書けなかったし自分の中で何か進んだって感覚もない。あーあー負けました。理由はあるんです。深夜突然普段はゆっくりLINEなんかしない弟からの半分相談みたいなLINEが来て無視できなくて24時半くらいまでピロンピロンしあってたのと、その後同居人の仕事の相談?アイデアの無心?みたいな話に巻き込まれて覚えてないけど多分27時くらいまでもそもそ話をしていたんだ。考える暇が完全になかった。

でも4時(締め切り)になっても書き続けてやるってガッツで挑んでたのに普通に3時頃に眠くて寝た。言い訳できない敗北。負けた時はどうしましょう。とりあえず今回は仕事がマジでやばいんでパスカルは寝かせておいて隙あらば書くことにする。あああああああ。

 

珈琲が飲めなくなったと同時に異世界の何かになった、という話を同居人にしたら、デカフェコーヒーとかあるって言われたけど、それも意味がわからない話なんですよね。泥水を喜んで飲む種族がいるけど僕は普通に飲み物だと思えないって言ったら「疑似的に泥水の味がする代替品があって君も飲めるよ」って言われたような感じ。いやだから飲み物じゃないからいらないし、その泥水にこだわりを持ってる人はやっぱり本物の泥水がいいんだろうから代替品は要らないし、つまりそういうことなんじゃないの。珈琲を泥水に例えて本当にごめんなさい。これでも元は珈琲好きだったんです。感覚の断絶を表現するために泥水以外の例えが思いつかなかっただけなんです。ごめんなさい。お酒飲めない(飲まない)人にノンアル飲料勧める行為もこれに当たるのかな。お酒いらないって言ってるのに「これならノンアルだからお酒飲んでる味するよ」って、いやだからいらないんだってば。みたいな。きっとそうだ。

 

同居人の話。同居人とは年がひとまわりくらい離れている。僕のもと上司だ。希望でパンパンの新入社員だった僕に初めてついた上司で、美人で仕事ができるって結構噂になっていた。僕はけっこう憧れていた。その後予想がつかない超展開があって結局一緒に暮らしているんだけど新入社員だった頃の僕に「お前5年後にはその上司と住むよ」って言ったらどんな顔をするんだろう。

なにしろ僕は子供のころからバリバリの孤独好きで寂しいという感覚は人の何倍も薄いと思うし実家大好きだけど家を出てからホームシックは1回もないし、何より自分の生活に人が干渉してくるのを蛇蝎のごとく嫌っていた。人が自分と同じ冷蔵庫やキッチンを使うのは考えたくもないしもし結婚することになっても別居婚がいいって心の根から思っていた。僕の暮らしはオリジナル色が強くて一般的な生活はできていないけどでも僕が考えたオリジナルの生活は本当に僕に合っていて、僕以外の人には合わないから、絶対触られたくないと思っていたしその感覚は正しかったと今も思う。

本当にどんな顔をするだろう。憧れの上司と同居。「憧れの上司」というプラスポイントと「同居」という果てしない深淵のようなマイナスポイント、それでもきっと僕は少し嬉しそうにするんだと思う。「好き」という感情は理性を即死させる。結構小さな「好き」でも、理性が叫ぶあり得ない量のリスクを一瞬で吹き飛ばす力がある。だからきっと少し嬉しそうにするだろう。少し好きだから。

 

まあその少し好きな人も個人として向き合ってみると相当変な人で、僕も優しくはあるけど超頑固者で受け付けられないものを流すスキルがえぐいほど無いし、同居以前の問題が山積みだったりして、でも事実として同居しているわけで、結果しんどいことがドッカンドッカン起きて軽率に取り返しのつかない事態になったりとかして地獄の数年間を過ごすわけだし現在進行形で状況はとても安定してるとは言いがたいし僕のオリジナルな生活はめちゃくちゃになった。けど、同居人はいつも僕の知らない世界を見せてくれるし魔法みたいな妙な才能が凄くあって僕を守ったり守らなかったりしてくれるからまあ良かったよ。僕は人生に安定なんて求めていないし傷つくのも怖くないし走り切って死にたいと思っているからそういう意味では日々大量の試練と新体験をくれるその人は正解だったんじゃないかな。そして僕もその人を日々困らせている自覚はあるけどそれと同じか少し足りないくらいの価値を提供していると思う。

……とまでは昔の僕には教えてあげない。とにかくその人と同居するよー。1806文字。